賃貸経営の知恵袋

青色申告とは

青色申告制度の概要

収入や経費などの取引状況を一定水準以上で記帳し正しく申告をする人が受けられる、有利な取り扱いが青色申告制度です。

青色申告をすることができるのは、不動産所得、事業所得、山林所得のある人となっています。
私たち賃貸経営者は不動産所得となるため、青色申告制度を利用することができます。

以降、不動産所得を前提に解説していきます。

青色申告の申請手続き

青色申告承認申請書を納税地の所轄税務署長に提出します。
以下の区分によって提出期限が変わります。

  区分 青色申告承認申請書の提出期限
原則 青色申告の承認を受けようとする年の3月15日
新規開業した場合(その年の1月16日以後に新規に業務を開始した場合) 業務を開始した日から2ヶ月以内
被相続人が白色申告者の場合(その年の1月16日以後に業務を承継した場合) 業務を承継した日から2ヶ月以内
被相続人が青色申告者の場合(死亡の日がその年の1月1日から8月31日) 死亡の日から4ヶ月以内
被相続人が青色申告者の場合(死亡の日がその年の9月1日から10月31日) その年の12月31日
被相続人が青色申告者の場合(死亡の日がその年の11月1日から12月31日) 翌年2月15日

青色申告者の帳簿書類と保存

青色申告の記帳は、年末に貸借対照表と損益計算書を作成することができるような正規の簿記によることが原則です。
これらの帳簿や書類等は、原則として7年間保存することが必要です。

青色申告のメリット

赤字を3年間繰り延べることができる

不動産投資は事業開始初年度や大規模修繕を行った年などに、赤字になることがあります。青色申告をすることで、この赤字を個人の場合は3年度まで(法人の場合は9年度まで)繰り延べることができます。
赤字の部分を翌年以降利益と相殺できるため節税となり、キャッシュを残すことができます。

青色申告特別控除が受けられる

65万円の青色申告特別控除

以下の条件を満たすことで、所得金額から最高65万円を控除することが可能です。
ただし、所得金額の合計額が65万円より少ない場合は、その合計額が限度となります。

不動産所得または事業所得を生ずべき事業を営んていること。
これらの所得にかかる取引を、正規の簿記の原則により記帳していること。
⑵の記帳に基づいて作成した貸借対照表および損益計算書を確定申告書に添付し、この控除の適用を受ける金額を記載して、法定申告期限内に提出すること。
5棟10室基準の事業的規模に該当していること。

5棟10室基準とは、建物なら5棟、部屋なら10室を超えると事業的規模とみなされます。戸建ては1つで2室と換算されます。駐車場は5台分を1部屋として扱うのが一般的で、50台分あれば10室分と換算されることになります。

平成30年税制改正で平成32年分以降には、青色申告特別控除の控除額を現行の65万円から55万円に引き下がることになっています。

①電子申告を実施する
②帳簿を電磁的記録の備え付けおよび保存を行なっている

このいずれかの場合は、従来通りの65万円の控除となります。
平成32年分以降に関してはこの要件を満たすようにしましょう。

10万円の青色申告特別控除

65万円の控除を受けるための要件に満たない青色申告者は、10万円の控除を受けることができます。
ただし、所得金額の合計額が10万円より少ない場合は、その合計額が限度となります。

青色事業専従者給与を必要経費に算入できる

青色事業専従者給与の概要

5棟10室以上の事業的規模であれば、青色申告者と生計を一にしている配偶者やその他親族のうち年齢が15歳以上で、その青色申告者の事業に専ら従事している人に支払った給与は、事前に提出された届出書に記載された金額の範囲内で、専従者の労務の対価として適正な金額であれば、必要経費に算入することができます。

専ら従事していることが要件となりますので、フルタイム(アルバイトなども含む)で他の勤務についている場合は、専従者としてはみなされません。

【例】
奥さんを所有アパートの管理業務に従事させた場合。

給与所得控除65万円+基礎控除38万円=103万円
103万円の場合所得税は無税となる。

大家自身の所得金額を103万円減らすことができ、その分だけ所得税等を節税することができます。

青色事業専従者給与の手続き

専従者給与は、給与を支払う年の3月5日(その年の1月16日以降に新たに事業を開始した場合は、事業開始の日から2ヶ月以内)に青色事業専従者給与に関する届出書を税務署に提出する必要があります。

 

青色申告は活用しない手はありません。
必ず青色申告を申請するようにしましょう。
課税所得が800万円を超える場合は、法人化を検討しましょう。